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解約・退出時のトラブル

敷金とはどのように定義づけられているか。
入居者の家賃未払いや退出時に支払わなければならないお金が残っている時に備えて預かるお金のことをいいます。
オーナー様にとっては担保の役割を離します。

多発する敷金返還請求

近年、敷金返還請求が多発している原因として以下のことが挙げられます。
・小額訴訟制度
・消費者契約法


小額訴訟制度とは裁判の手続きが非常に簡易的になり、原則として審理は1度限りとなり、手軽となりました。
それゆえに敷金の返還を求める声が大きくなったのです。
消費者契約法はその大義名分を与える法律となり、契約しても消費者に不利な条項は無効ことができるようになりました。

ただし、平成23年に最高裁判所の3件の判決で「契約書の中のオーナーさんに有利な条項は無効だ」
という入居者の主張を「契約書の中のオーナーさんに有利な条項を有効だ」
とする判断を下しました。

つまり、契約書の内容をしっかりと記載すれば有効であるということです。

退出時のトラブル 修繕義務
部屋を賃貸に出す時、オーナー様には修繕義務が課されます。
入居者様とオーナー様の間で起こるトラブルで一番多いところです。
上記より、契約の中で特約の記述がない部分に関してどのような負担区分になるのでしょうか。
様々な例がありますが、裁判所の判決によっては覆ることもありますのでご注意ください。

オーナー様負担
・冷蔵庫のファンによる黒ずみ
・給湯器の交換
・家具の設置による床、カーペットのへこみ、設置跡
・クロスの変色(日照など自然現象によるもの)
・画鋲やピン等の穴(下地ボードの張り替えは不要な程度)


入居者様負担
・入居者の使用上のミスで壊れてしまった場合の修理交換費用
・通常の使用を超える、台所の油汚れ(使用後の手入れが悪く、ススや油が付着している
・飲み物等をこぼしたことによるシミ・カビ(手入れ不足で生じたもの)
・結露を放置したことで拡大したカビ、シミ(通常の使用を超える)クギ穴・ネジ穴(下地ボードの張り替えが必要な程度)

こちらはあくまでもガイドライン(通例)にそった負担区分となります。
実際には契約書に明記されていれば入居者の負担となるケースもあります。

・タバコを室内で吸っていた場合のクロス張替え
・畳の表替え費用
など

日常的な使用によって発生する破損
・電球の取替え、グロウ球の交換
・水道蛇口の水道パッキン交換
・ふすまや障子の張替え
・畳替え
・網戸の穴の補修


・もともと老朽化していてあちこち壊れている物件は修繕義務がないこともある。
・契約書上でエアコンが設備として記載されていた場合、エアコンが壊れてしまったらオーナー様負担となる。
・入居前からフローリングに傷がり、入居後に気がついてもオーナー様は修繕義務がない。
・ウォシュレットは付いているのが当たり前となってきたため、つけてほしいと入居者に言われてもオーナー様はこの要求を拒否できる。
・柱が何箇所か腐っていても建物の使用に支障がなければ修繕義務はない。
・きちんと閉まらない窓があっても入居前にしっかりと説明をしていれば、オーナー様に修繕義務はない。
・天災により建物に重大な瑕疵ができ、その修繕に多額の費用がかかる場合、オーナー様に修繕義務はない。